「今日はお腹をこわしているからジュースにしましょう」母親がやさしく語りかけます。
かつて、食事の際の飲み物は水やお茶に限られており、ジュースなどが食卓を飾ることはありませんでした。それも母親が心をこめて作ったものでした。そして、病が治ればもとの水やお茶に戻りました。
昭和三十年代以降、子供の食卓にジュースや清涼飲料などが出されるのが日常茶飯事になりました。しかも、工場で作られた加工飲料に変わってしまったのです。それが、子供の健康、特に心の健康を損ねていることを知っていただきたいものです。
加工飲料によって、今の子供たちが砂糖漬けになっていることに関心が持たれるようになりました。砂糖以外にも、加工飲料に含まれている重合リン酸塩、人工着色料なども子供に悪影響を及ぼすのです。
重合リン酸塩は、一九五七年に食品添加物として認可されてから、またたく間に加工飲料などに乱用されるようになった、メーカーにとっては大変便利な食品添加物です。一方子供たちの身体の方は、重合リン酸塩によって生じたリン酸カルシウムの形で身体からカルシウムが失われていってしまいます。
田村豊幸さんは、加工飲料を飲ませ続けているとその動物の頭蓋骨が薄くなることを指摘しています。
大沢博さんは岩手県の高校生の加工飲料の摂取量を調査して、一日に加工飲料を六本以上飲んでいる高校生は全員が非行傾向を持つことを報告しています。
また、人工着色料を摂り続けると、発がん傾向が生ずることも知られています。
これらの延長線上に、かつてみられなかった無差別殺人などの犯罪も生まれてくるわけです。加工飲料は体調を崩したときの補助的飲料で、それも野菜や果物などの素材を利用して手作りをするように心がけていただきたいものです。 |